インヂュニアSLの復活
2022年には映画トップガンの公開に合わせて、パイロットウォッチの新作を発表したIWC。
2023年の最新作は何と”時計デザインの神・鬼才・天才”とも称され数々の名作を世に生み出し、現代時計デザインの礎を作ってきた、
故ジェラルド・ジェンタ氏がデザインした名作インヂュニアSLのデザインを復活させたのです!
個人的には2023年に発表された、どの最新モデルよりもこの新作に最も心惹かれています。
実際のところ、この新作インヂュニアには多くの時計ファンが興味を注ぎ、心躍らせているのではないでしょうか??
この哀愁漂うジェンタ氏が見据える先は…
画像出典:https://www.iwc.com/jp/ja/home.html
インヂュニアの誕生
機械式時計の大敵といえば磁気。これは昔も今も変わる事はありません。その磁気に接する機会が増え機械式時計に影響を受ける事が多くなったエンジニア向けの時計として誕生しました。初代インヂュニアであるRef.666ADは1955年に発表され、現代では多くの時計に備わるようになった耐磁性能を時計の先駆的モデルといえます。なお耐磁時計として有名なロレックス・ミルガウスが誕生したのはインヂュニア誕生の翌年の1956年です。
パイロットウォッチは空、アクアタイマーが海となれば、インヂュニアはいわば陸の時計と言えます。
オーソドックスなラウンドケースであったインヂュニアの人気をさらに高めたとされるのが、1970年にジェラルドジェンタ氏に再デザインを依頼し、1976年に誕生したインヂュニアSL Ref.1832。こちらの画像が当時発売された初代インヂュニアSLになります。
1970年代中期といえば、このインヂュニアを含め、パテックフィリップのノーチラス、オーデマピゲのロイヤルオークなど、現代でも人気のコレクションの初代モデルが誕生した時代です。時計ファンであれば周知の事でしょうが、これら全てのデザインを手がけているのがジェンタ氏です。インパクトのあるベゼルデザイン、ケースからブレスレットにかけての流れるようなシェイプ、ケースとブレスレットが一体化した造り、これらが各モデルで共通されたデザインが特徴です。
インヂュニアSLの特徴といえば、このベゼルの窪みです。この窪みに工具を合わせる事で、ベゼルを締め込みまた緩めるネジ込み型という仕様を採用していましたが、個体によってまた締め込むたびに穴の位置がズレる事があります。私個人としてはこの穴位置のズレというのも味があって良いのですが、新作では特殊形状のビスを採用しベゼルを固定するという形式を執っているようです。
前置きが長くなりましたが、インヂュニアの歴史やジェンタ氏の功績は、時計ファンであればご存知の方も多いと思うので、あえて割愛させて頂きます。
さっそく新作インヂュニア4機種をご紹介させていただきます。
インヂュニア オートマティック 40 ステンレスモデル
ステンレスモデルは、ブラックダイヤルのIW328901、シルバーダイヤルのIW328902、アクア(ブルーグリーン)ダイヤルのIW328903の3色で展開されます。
初代ジャンボを彷彿とさせる端正なフェイスで最も人気を集めそうなブラック。
スッキリと爽やかな印象でオンオフ問わず使い勝手のよさそうなシルバーダイヤル。
ブルーともグリーンともとれる絶妙な色合いのアクア。
- 【ケース】
- ステンレススティール ケース
- 直径 40.0 mm
- 厚さ 10.7 mm
- 防水性 10.0 気圧
- 【ムーブメント】
- 32111 キャリバー
- 自動巻き
- 120 時間のパワーリザーブ
- 振動数 28’800 回/時 (4 Hz)
- 164 個の部品
- 21 石数
- 【特徴】
- 秒針停止機能付きセンターセコンド
- 両面反射防止加工を施したドーム型サファイアガラス
- ガラスで急激な気圧変化にも対応
- 日付表示
- 耐磁性軟鉄製インナーケース
- 【希望小売価格】
- 1,567,500円
インヂュニア オートマティック 40 チタンモデル仕様
今回の発表ではステンレスモデルに加え、グレーのダイヤルを纏ったチタンモデルも発表されています。過去のGSTなどを想わせるくすんだ色目のチタンが良いですね。
- 【ケース】
- チタニウム ケース
- 直径 40.0 mm
- 厚さ 10.7 mm
- 防水性 10.0 気圧
- 【ムーブメント】
- 32111 キャリバー
- 自動巻き
- 120 時間のパワーリザーブ
- 振動数 28’800 回/時 (4 Hz)
- 164 個の部品
- 21 石数
- 【特徴】
- 秒針停止機能付きセンターセコンド
- 両面反射防止加工を施したドーム型サファイアガラス
- ガラスで急激な気圧変化にも対応
- 日付表示
- 耐磁性軟鉄製インナーケース
- 【希望小売価格】
- 1,958,000円
今後の過去のインヂュニアSLの動向は?
画像出典:https://www.webchronos.net/features/51596/
インヂュニアは現在のIWCでも中核をなすコレクションですが、SLシリーズは長らくラインナップされていませんでしたが、コアな時計ファンには人気を集めていました。初代インヂュニアであるジャンボとも呼ばれるRef.1832やクォーツムーブメントを搭載するRef.3303の相場は、その市場流通量の枯渇状況からかなり高騰化しています。
初代以降にもインヂュニアSLは多数発売されてきましたが、この新作の誕生により人気も加速し価格も急騰して行く事が予想されます。コンディションの良いモノ、付属品が揃っているものなどは価格が高騰する前に早めにゲットする方がよさそうですね。
いかがでしょうか新作インヂュニアオートマティック40。冒頭で申し上げた通り、私個人の感想としては今季最も注目するコレクションです。時計業界にあっても某ブランドの最注目モデルに匹敵、もしくはそれを超えるのでは!?という注目を集めているのではないでしょうか。ただ注目を集めるのは良いのですが、プレミアムプライスというのは勘弁して頂きたいというのが、私も含め時計ファンの切なる願いですよね…
早く現物を手にしてみたいですね!
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