こんにちは、れんず社員Oです!
今回は機械式時計の使い方・クォーツ式時計との違い等、時計を使うにあたり知っていると便利な内容についてお話したいと思います。説明だけだと面白くないと思いますので、少し薀蓄も混ぜていこうと思います😊
機械式時計は、クォーツ式時計(電池)よりも少しだけ気を付けて使用して頂きたいポイントがあったりしますが、けして難しくはありません😊
○そもそもクォーツ式時計と機械式時計の違いって?
クォーツ式(電池)は電池を動力源として動く時計です。
ゼンマイばねを使用した手巻式や自動巻式に代わって、現在最も一般的な時計となっております。ゼンマイに代わる駆動としてステップモーターを使用し、ここに電源が必要なため電池が内蔵されています。電池の寿命はメーカーやモデルにより異なりますが、約1~2年です。電池切れの場合は電池交換が必要です。
余談ですが、世界初のクォーツ式時計はセイコークォーツ アストロン35SQが有名ですね。(このアストロンは1969年12月25日に東京で発売されました。45万円(当時の中型車1台の価格に相当する)という高額にも関わらず、発売1週間以内に100台が売れたという逸話があります。ちなみに、セイコーがクォーツ式時計を実用化し市販するまで、かなりの時間がかかりました。クォーツ式腕時計には超小型化と強い対衝撃性が求められた為、量産・コストダウンに至るまでけして楽な道ではなかったそうです。)
時を経て、最近のセイコー アストロンはこんな感じです。
クォーツ式の時計も様々なモデルがあり、セイコーやシチズンの高級ラインはとても人気があります。
クォーツ式にも「クォーツを超えたクォーツ」とも形容される、セイコーの9Fクォーツが存在します。
(9Fキャリバーは温度補正機能を搭載しており、1日に540回温度を計測します。その情報をクォーツの振動調整に反映し、わずかな誤差も補正します。年差は±10秒です。)
2019年にシチズンから発売された、1年間1秒以内の誤差に収めた年差クォーツ、ザ・シチズンなども有名ですね✨
これらの国内メーカーは、国内に高級ラインの生産拠点があります。日本製の高級時計、個人的には応援させて頂いております😄
○機械式時計ってどういうもの?
モーター駆動のクォーツ式時計とは異なり、巻き上げられたゼンマイがほどける力を利用して動きます。
リューズ操作でゼンマイを巻き上げる手巻きと、装着時の腕の動きによって巻き上げる自動巻き、この2通りの方式が存在します。
手巻き式時計の場合、出来るだけ毎日同じ時間帯に巻き上げて下さい。これは精度向上の細かなコツです😊
※ちなみに、一般的な自動巻きの時計であればリューズ操作による手巻きによる巻き上げも可能です。
※機械式時計の精度は現行モデルの新品・中古品であれば日差±5~20秒程度です。アンティーク(ポストアンティーク含む)では個体差もありますが、日差30秒~3分前後の誤差が生じる事もあります。
○それでは腕時計の時間合わせを行いましょう
使いはじめの腕時計は時刻が合っていませんので、時刻を合わせていきましょう。
クォーツ式時計であれば動力の心配はありません。リューズを引き出し、そのまま時刻を合わせて下さい。
①機械式時計の場合、リューズを引き出し前方向へ最低でも30~40回巻いて下さい。するとゼンマイが巻き上がり安定して動き出します。自動巻きの場合は最大限巻き上げなくとも、着用して腕を動かすと自然にゼンマイが巻き上がって行きます。巻き上げが足りないと精度も出ず、普段使いに支障が出ます。
(防水性の高いねじ込み式リューズの場合はリューズを引き出す動作が必要です。実際は、引き出さずにゼンマイを巻くタイプの方が多いです。)
ちなみに、手巻きで巻きすぎても故障に繋がります。巻き止まりがある機械はわかりやすいのですが(その他、特徴的な金属音を鳴らせて知らせてくれたりもします)、それが無いモデルは注意しましょう。
昨今、テレワークやリモートワークが推奨され、一日を通して腕を動かす回数が減り、巻き上げが不足してしまう事が多くなっているそうです。その場合はたまに手巻きで巻いて上げましょう😄
②時刻を合わせる際、いきなり日付のクイックチェンジを行わないで下さい。
カレンダーが切り替わる午前0時を挟んで前後4時間(午後8時~午前4時のあいだ)、日付の早送りを行うと故障の原因となります。必ず、この時間帯を避けて日付調整をしましょう😊
念のため、長針を回して12時を越えさせ、日付変更の禁止時間帯に入っていないかを確認してから、合わせていきましょう。
③この日付変更禁止時間帯というものが無い時計も存在します。
ロレックスの中ではキャリバー3235を搭載している126300、126233などのメンズデイトジャストや、キャリバー2236搭載の279160、279174等のレディスデイトジャスト、キャリバー3255搭載のデイデイト等には日付禁止時間帯はございません。
更には、現行スポーツ系のヨットマスター(126622や126655等)。シードゥエラー(126600)、ディープシー(126660)なども新型ムーブメント搭載のため大丈夫です。
メンズでは型番が『Ref.126***』または「Ref.228***」など、レディースではRef.279***となっているモデルが該当します。
○機械式時計のメンテナンスとは?
クォーツ式と同じく、機械式時計も定期的なメンテナスが必要です。このメンテナンスとは内部機械の分解清掃です。通称オーバーホールと言いますが、通常5~7年毎にこの作業を行う事により機械を長持ちさせ、末永く使う事が出来ます。
精度不良や目に見える異常が無くても、内部の部品には摩耗や劣化が発生しているため、オーバーホールをせずに10年15年と使い続けてしまい、後に交換部品代金が高くなってしまう事があります。
精度の誤差が許容範囲より大きくなり始めたり、リューズ巻上げがスムーズではないと感じた場合、油切れと判断できます。致命的な故障に繋がりますので早めにメンテナンスに出しましょう。
余談ですが、オメガが展開しているコーアクシャル機能を搭載した時計は、オーバーホールの頻度を約10年に1度にすることが出来ました。併せて高い耐磁性も備えており、約1000ガウスに耐えられます。スマートフォンが大体50ガウス、大型のスピーカーでも100ガウス程なので相当タフな時計と言えます。
(ちなみにマスターコーアクシャルモデルは15000ガウスまで耐えられます。)
コーアクシャル脱進機は1974年にジョージ・ダニエルズ博士が発明した機構です。ちなみにコーアクシャル機構は1999年にオメガが開発と量産化に成功しました。
画像の時計はオメガ シーマスターダイバー300m マスターコーアクシャル クロノメーター 42mm 210.30.42.20.01.001です。
○時計の防水性について
防水時計やダイバーズウォッチなどは、リューズがネジ込み式になっているモデル、レバーにより固定することで防水性能をより高めているモデル等があります。
用途に合わせて3気圧・5気圧・10気圧・20気圧・30気圧などがあります。
または30M・50M・100M・200M・300Mなどの性能目安が設定されています。時刻や日付の調整後や、水に浸かるような場所では常に防水ロックの確認をして下さい😊
非防水の時計は汗や雨水のがかかっただけでも浸水する恐れがあります。十分気を付けて下さい。
水が内部に入ってしまうと、内部パーツが錆びたり劣化してしまいます。錆びてしまうと最終的に動かなくなるだけでなく、腕時計のケースにも錆が発生することも考えられるのです。酷い場合はオーバーホールだけでなくケースの交換等も必要になってくることもあり、購入価格より高額な修理費用が発生することもあります。
腕時計は様々な工夫を取り入れて水の侵入を防いでいます。ねじ込み式リューズもそうですし、リューズにはパッキンを施したりもしています。そして、これらのパーツは経年により劣化してしまいますのでご注意下さい。
防水性について細かく知りたい方向けにまとめておきました。よろしければご覧下さい😄
30M・50Mという表記は3気圧・5気圧です。100Mという表記は10気圧に相当し、200M・300Mという表記は20気圧・30気圧に相当します。 10気圧未満の防水性能では時計本体の気密性が低く、時計内部に水分が浸入する可能性が高いので取り扱いには注意が必要ですが、手洗い時や雨のしずく程度は耐えることが出来ます。
10気圧以上20気圧以下の防水性能では、時計が軽く水に浸かる程度は耐えることが出来ますが、水泳・ダイビングなどはお控え下さい。
20気圧以上の防水性能が備わっていればマリンスポーツ等に使用して問題ありませんが、リューズがしっかり締まっていない場合や、定期的にメンテナンスを行っていない場合は浸水することがありますのでご注意下さい。
※ 中古品、アンティーク品は経年劣化の為、新品当時の防水性能を備えていない時計もあります。アンティーク品は湿気に気を付けて下さい。
防水時計でも、お風呂や温泉でのご使用は避けて下さい。内部の油が拡散してしまい機械だけでなく文字盤、針などの劣化に繋がります。
○衝撃や磁気は時計の大敵
機械式時計は数多の微細なパーツが組み合わさって時間を表示しています。
精密に創り上げられた腕時計に衝撃を与えた場合、一部分でもズレが生じると…そこから噛み合わせが狂い、最悪内部パーツが破損してしまったりすることも考えられます。場合によっては衝撃によって動力源のゼンマイが絡まってしまうこともあるのです。
不慮の事故でぶつけたり落下させてしまうと外装部分が破損することがあります。外装部分のパーツは製造元メーカーでしか用意出来ない場合が多いので、修理額が高額になりがちです。
スポーツの中でもゴルフやテニス、野球などはインパクトの瞬間に強い衝撃が加わります。その衝撃はプロに近いほど平均1tを超えるとも言われ、その大きな衝撃は掌を通じて腕元に伝わってくることになります。この衝撃が内部パーツにダメージを与えるのです😫
ここまで機械式時計について色々と説明させて頂きました。
もし、時計の使用法などで不明な点が御座いましたら店頭スタッフまで、お気軽にご相談下さいね。