スイス公式クロノメーター検定機関C.O.S.C.とは?

  • 投稿日:2021年01月24日

こんにちは!社員Oです!
今回は以前、オメガのおすすめモデルをご紹介した記事において、長くなってしまうので割愛させて頂いた、C.O.S.C.についてご紹介したいと思います😄

興味のある方は是非、読んでみて下さい。

スイス公式クロノメーター検定機関のC.O.S.C.(The Contrôle Officiel Suisse des Chronomètre)は、今やスイス時計業界にとって非常に重要なものです。

ちなみに、ロレックスやオメガ、ブライトリングといった有名ブランドもこの検定機関にお世話になっています。

C.O.S.Cはスイス時計業界では今や欠かせない存在です。この検定機関は1973年に設立されていますが、その前身は1878年には既に存在していたそうです。

しかし、当時はどの時計師も個々に所有する計時機を基準としており、一定の基準で時計の品質を認めるということは必要とされていませんでした。
C.O.S.C.の厳しい検査は長い時間をかけ、スイス製時計の信頼性を世界的なものへ高めていきました。ここでは、C.O.S.C.がもたらした現在のスイス時計産業への影響も含め、C.O.S.C.について知っておきたい幾つかのポイントをお伝えしたいと思います。

スイス公式クロノメーター検定C.O.S.C.を取得可能な条件

C.O.S.C.を取得できるのは、スイス製の時計に限られます。これを満たすには、ムーブメントがスイス製であること、ケーシングがスイスで行われていること、製品の最終検査がスイスで行われていること、生産コストの最低60%がスイス国内で発生しているという条件が求められます。

それに加えて、全パーツの50%以上がスイス製であることも必要です。他国を排除する主な理由は、C.O.S.C.が非営利団体であり、また認定を行うことでスイス時計ブランドとしての地位やムーブメントの信頼性を高めることを目的としているからです。

精度だけで言えば日本製やドイツ製の時計の多くがこの規格に合格できますが、C.O.S.C.は精度だけではない、独自の厳格な検査基準(7つの検査項目)を設けています。

ちなみにスイスだけが自国独自の「公式」検定機関を設けています。

7つの検査項目とは

一言で言うと大変厳しいです。C.O.S.C.取得を希望する時計は、そのムーブメントがC.O.S.C.検定機関に送られてから次のようなプロセスで検査が行われます。

まず申請者が提供するリストと、ムーブメントに刻印されている情報が合致するかどうかが確認されます。続いて5姿勢での検査が行われ、ブランドから提供されたガイドラインに沿って巻き上げられ、23℃に保たれた空間に12時間留め置かれます。

その後15日間にわたり、ムーブメントのパーツは毎日検査を受けることになります。クロックも腕時計も連日計測にかけられるのです。

この期間を過ぎると、検査を受けた腕時計は以下の7つの基準によって判断されます。平均日差、平均日較差、最大日較差、垂直方向と水平方向の姿勢差、最大姿勢偏差、温度変化に伴う値の変化、一度静止させてから再駆動させた際の値の変化。ムーブメントがこれらの条件に合格して初めて、公式に認定表が発行されるのです。

※クォーツ時計も検査対象

C.O.S.C.は機械式腕時計だけを対象にしているわけではなく、懐中時計や航空機などの機内計器、持ち運び用置き時計、クォーツ腕時計も検査対象となっています。

個人的にはクロノメーター取得クォーツ時計と言えば、ブライトリングのイメージが強いですね。

現在クォーツの振動数を計測する国際的基準は存在しないため、C.O.S.C.は国際規格ISO 3159に基づいて機械式腕時計と同様に測定を行っています。C.O.S.C.を取得し高精度クォーツ腕時計(HAQ/High Accuracy Quartzの略)として認められるために、温度変化への耐性が測定されます。これはクォーツの特性として、環境状況に従って振動数が変化することがあるからです。

クォーツ腕時計は3つの異なる室温と4つの異なる湿度の下、1姿勢で13日間の検査が行われます。それに対して機械式腕時計と懐中時計は15日間、機内計器は19日間です。検査項目は機械式腕時計や懐中時計に比べて少ないのですが、要求される数値はより厳格なんです。

※謎に包まれたC.O.S.C.の規模とは…!?

C.O.S.C.はビエンヌ、ル・ロックル、サンティミエの3カ所に検定所を持ち、そこには60名の常勤職員と70人の補助職員が勤務しているそうです。

3つの検定所は週7日休みなく稼働しているそうで、ガイドラインに則った継続的な検査を行うため年間350日稼働しています。C.O.S.C.の認定を受ける時計はここ数十年で増加傾向にあります。

設立当初はわずか20万本程度の合格本数ですが、2000年には約100万本まで増加しています。近年では年間約160万本以上の時計がC.O.S.C.の検定に合格していますが、この数字はスイスから輸出される時計全体の6%、そのうち機械式時計は21%程度だそうです。

いかがでしょうか?クロノメーターという単語は頻繁に目にしますが、なかなか実情を知っている方は少ないのではないでしょうか。よろしければ時計選びの際に気にして見るのも良いと思います😄

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