“3気圧防水””5気圧防水””10気圧防水”・・・腕時計の防水機能
6月に入りましたね。いよいよ、梅雨の季節です。
台風も近づいてきていますから、お天気は雨模様が増えそう…。
この季節は、癖毛にとって最も厄介な時期なのですが、
精密機器である腕時計にとっても、水は大敵です。
今日は、腕時計の「防水性」について見ていきましょう。
防水時計の種類と取扱い上の注意点
「気圧防水」とは、腕時計の防水性の目安とされ大きく分けると5つのタイプが存在します。
傾向としては、ドレスウォッチは防水性が低く、スポーツウォッチは防水性が高いようです。
いくつかチョイスして説明しますね。
種類 | 仕 様 | 表示例 | 用途・注意事項 |
飽和潜水時計 (JIS2種潜水時計) |
200m~1000m防水 |
DIVER’S WATCH 300m FOR SATURATION DIVING |
表示されている水深(例:300m)までの潜水に耐える防水性を備えています。 潜水時間、減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置付で、ヘリウムと酸素の混合ガスの呼吸気体を利用し、深海で潜水する時(飽和潜水)に使用する時計です。 |
潜水時計 (JIS1種潜水時計) |
100m~200m防水 | DIVER’S WATCH 100m DIVER’S 100m |
表示されている水深(例:100m)までの耐圧性と長時間の水中使用に耐える防水性を備えています。 潜水時間、減圧時間を測定するのに必要な回転ベゼルなどの装置付で、ボンベに圧縮空気の呼吸気体を入れて浅海で潜水する時(スクーバダイビングなど)に使用する時計です。 飽和潜水用に使用することはできません。 |
日常生活用 強化防水時計 (JIS2種防水時計) |
20気圧防水 | WATER RESIST 20BAR WATER 20BAR RESIST W.R.20BAR |
水上スポーツ(水泳・ヨット・つりなど)及び素潜り (スキンダイビング)をされる方にお使いいただけます。 飽和潜水用や空気潜水用に使用しないで下さい。 |
10気圧防水 | WATER RESIST 10BAR WATER 10BAR RESIST W.R.10BAR |
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5気圧防水 | WATER RESIST 5BAR WATER 5BAR RESIST W.R.5BAR |
水に触れる機会の多い水仕事(漁業・農業・洗車・食堂など)や水上スポーツ(水泳・ヨット・つりなど)をされる方にお使いいただけます。 素潜り(スキンダイビング)及び飽和潜水用や空気潜水用に使用しないで下さい。 5bar以上の防水時計でも水圧の激しいシャワーや水道水が直接時計に当たらないようご注意下さい。 |
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日常生活用 |
2~3気圧防水 |
WATER RESIST |
日常生活での汗や洗顔のときの水滴、雨などに耐えられるものですが、水仕事、水上スポーツ、素潜り(スキンダイビング)、潜水には使用しないで下さい。 水圧の変化が激しい条件では使用しないで下さい。 |
非防水時計 |
裏ぶたに、「WATER RESIST」の表示がないものは、直接水に触れないよう注意してご使用下さい。 |
非防水時計
防水機能が備わっていない時計です。最近では、非防水のモデルは少なくなり、アンティーク時計で多く見られます。
防水に関して何の表示もされていない時計はほとんどが「非防水」と判断してよいでしょう。
洗面時にかかる水滴はもちろん、雨や汗あるいは強い湿気や水蒸気に晒されるだけでも故障の原因に・・・使用には十分注意が必要です。
日常生活用防水時計(JIS1種防水時計)(3気圧防水)
大半のごく普通の腕時計に施されているのが「日常生活防水加工」。
本体の裏側に「WATER REGISTANT」または「W.R.」と表記されています。洗面時や降雨時にかかる水滴などのちょっとした水濡れには問題がない程度のものです。
また、「3ATM」や「3BAR」という表記は「30mの水圧に対応できる」という意味ですが、これはあくまでも防水機能の基準です。「腕時計をつけたまま潜りに行こう!」が可能という意味ではないので注意ですよ。
日常生活用 強化防水時計(JIS2種防水時計)10気圧防水
「10気圧防水」= 100mの水圧に耐える性能を持つ時計になります。日常生活強化防水もしくは第2種防水時計とも呼ばれます。
こちらの時計は、例えば水がかかったり一時的に水に浸かったりしても大丈夫という程度の防水機能。日常生活の些細な水気よりももう少し過酷な状態でもOKということです。
しかし・・・水泳で使用したり、海水に着けたり、お風呂・温泉などでの使用は故障につながります。
ちょっとならいいけど、ずっと水に浸すのはダメということですね。
潜水時計(JIS1種潜水時計)
空気ボンベを使用する潜水に対応しており、100m~200mの機能を搭載した腕時計です。「気圧」表示が「m」表示へと切り替わり、「生活防水」から「潜水用」へと特化。
表示は100m防水の場合は「AIR DIVER’S 100m」となり、表示されている数値の水深での耐圧性と長時間の水中使用に耐えられることを示しています。
100m防水以上は「ダイバーズウォッチ」とも呼ばれ「耐磁性能」「耐衝撃性能」や、潜水時間を測定するために必要な回転ベゼルなどを備えています。
けれども、潜れるからと言ってさらに深海で行う飽和潜水では使用することはできません。
飽和潜水時計(JIS2種潜水時計)
防水性能を持つ腕時計のなかでも最も高い機能を持つ、200m~1,000m防水は、「飽和潜水時計」「第2種潜水時計」と呼ばれます。
「HE-GAS DIVER’S(潜水に耐えられる水深の数値)m」などと表示され、深海でのダイビングでも耐えることができます。
深海に潜水する「飽和潜水」では、減圧症を防ぐために、あらかじめ加圧室で数日間過ごし、ヘリウムなどの不活性化ガスを体に吸収・飽和させてから潜水を行います。
潜水後は、減圧しながら体を戻していくのです。このときに腕時計も同じく内部に入り込んだヘリウムガスを排出しなければなりません。
そのためにヘリウムを外へ出す仕組み「ヘリウムガスエスケープバルブ」や「減圧バルブ」などが装備されています。
最後に
腕時計の防水機能については意外に知らない事や勘違いしてしまう場合が多いです。
これからのシーズン、雨だけでなくアウトドアなシーンを満喫するためにもしっかり理解したいところですね。
自分に適した防水時計をチョイスして楽しい時間を過ごしましょう!
癖毛に悩んでいる、中場のブログでした。